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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第33章 A world beginning with you




「出久…くん?」


まごう方なきそのモサモサ頭は、私の声が耳に届いたと見えてハッと上に上がる。


「あ……!あぁ!!ひよこちゃん!!!」


キーン…と耳に響くくらいの大きな声を、出久くんはあげた。


「起きてたの…!もうこんなに夜遅くなのに…。」
「いやぁ…なんだか眠れなくって。」


えへへ、と頭をかく彼は私に駆け寄り、私の背負っていた荷物を流れるような手つきで持っていく。


「あ、私の…」
「いいのいいの!ほら、はやく入って!すごい寮なんだよ!」
「あ、わっ…ちょっ、ちょっとまっ…」


そして、私の背をグイグイと押した。

まってよ、まだ心の準備が…。

なんて悠長なこと言ってる暇なく、私は扉の前に立たされた。


「ほら!開けて!」


そんなふうに溌剌とした声で、そんな笑顔で。

私は断れるわけもなく、こくんと頷く。


ちょっぴり震える手で、私は扉に触れて。

それからひと思いにバカンッ…と扉を開けた。









パンッ!
パパパンッ!!
ドッパーンッ!!!










「うっきゃぁっ!!」


真っ暗の中に乾いた爆発音が響き、私は思いっきり尻餅をついた。

暗殺っ…暗殺されるっ……殺されるっ…!?


そんな物騒なことを想像して涙目で後ずさっていると、暗闇がパッと明るくなり、

それから、みんなの声が響いた。








「せーのっ!」

「ひよこちゃん!」
「安藤!」

「「「おかえりなさーい!!!」」」





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