第32章 夢を諦める方法
ひよこへ
元気ですか?
ひよこが困っている時に、と思ってこの手紙を書いています。お母さん、お手紙なんて書くの初めてだから、すごく緊張してます。
今の私には、ひよこがどんなことで困っているのか、分かりません。
進路のことかな。お友達のことかな。
もしかして、恋愛のことかな。
どんなことでも、どんな悩みでも、進むのは他の誰でもない自分です。
じゃあ、ひよこが自信を持って進めるように、ひよこのいいところを書いておきます。
まず、ひよこは優しいです。
あなたは誰よりも優しくて、お母さんはいつもそれに救われる。困っている人がいたら一緒に考えられるのがあなたです。それは、本当の意味で人を救けることになります。ひよこはいちばん、人を大切にすることが出来ます。
それから、ひよこは頑張り屋です。
お母さん見てました。ひよこはたくさんたくさん、頑張ってるって。その頑張りは絶対に誰かが見ていてくれます。もし、誰も見ていなくても、私は絶対見てるもん。
あと、ひよこは素直です。
みんなに平等に優しくて、敵だ味方だ関係なく、誰のことでも偏見なく考えることができる。暗闇で、誰も味方になってくれないって悲しんでいる人も、あなたなら救けてあげられる。
それから…もっともーっとたくさんあります。
そんなあなたなら、大丈夫です。
夢を叶える方法は、いくらだってあります。
限界は、自分で決めるもの。
夢を諦められないのは、諦めたくないから。
それなら、叶えればいい。
もがけばいい。
弱音だって吐いていい。人を頼ればいい。
あなたの周りには、助けてくれる人がたくさんたくさんいるから。
近くにいてあげられなくて、ごめんね。
ずっとそばにいてあげられなくて、ごめんね。
私はひよこのこと、ちゃんと見てるから。
お母さん、ひよこにたくさん救けられたよ。
本当に、あなたがいてくれてよかった。
優しくて、頑張り屋で、素直で、どこまでも真っ直ぐな、そんなひよこが、
ひよこが、大好きよ。
ひよこがいたから、お母さんの人生は幸せだった。
ひよこはお母さんの____