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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第31章 A world without you





「安藤少女っ!!!」



異形は次々とドロの中から現れる。


大量の異形の中、彼女はゆらり下を向いて立っている。

前髪はだらんと長く、目を隠す。
伸ばしていたはずの髪はザンバラで。




「安藤…来たのか。…ヤれよ。」




溢れる異形の轟音の中、死柄木のつぶやくような声がしたような気がして。


「安藤!なにしてる!!はやく!!こっちに」


傍に行きたいのに脳無が邪魔で進むことができず、声をかけることしか出来ない。


それでも、分かった。

なにか、おかしい。
と。



「…!!?」



そんな安藤に気を取られたすきに、死柄木らは次々と泥を吐き出し始める。


「マズい全員持って行かれるぞ!!」

そうグラントリノはまたも弾丸のように飛んで、
オールマイトも手を伸ばす。


「おんのれ私も!!連れていけ!!」



そう伸ばしたオールマイトの手は空を切って。

残ったのは脳無とそれから、ザンバラ頭の眼帯少女だけ。


唖然とする暇もなく、オールマイトには無数の脳無がたかり、絡みつく。


オールマイトは咄嗟に体を捻り、旋風をおこし脳無をぶっ飛ばす。


それでも辺りはまだまだ脳無に溢れて、ヒーロー達の混乱はとまらない。



そんな混乱の中、いつもはおどおどとしているあの少女は、未だぼーっと立っていた。


下を向いたまま、脱力したまま。


一番近くに居たエッジショットは、混乱する頭を抑え、その少女の肩を叩く。


「はやくここから、」



「……っ」



その途端、少女は弾かれたように顔をあげた。



その目に光は無く、

真っ黒で、虚ろだった。




「うっ…うぅっ…ぁあ゛ああああああああ!!」




その獣のような叫び声に、その曇った瞳に。

オールマイトは見覚えがあった。


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