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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第29章 〈番外編〉青い心は揺れ動く。




「妄想っていうか、想像?例えばA組とB組の中で彼氏にするなら誰!?みたいなの」


その提案に、みんなはおー!それいいかも!と盛り上がる。


「でも、どなたか一人を選ぶというのは……」
「あれやこれや雑談すんのもコミュニケーションの一環だって。」
「そうですわね……なにごとも経験ですね」

胡座をかいている拳藤さんはさっぱりとそう言った。


「じゃあさっそく……彼氏にするなら誰がいい!?」
「彼氏かー……」


『彼のこと』


青山くんのあの言葉がぱっと浮かんで、顔はまた赤くなる。

それでふっと隣を見れば、ひよこちゃんは枕に顔を埋めていた。


「うーん、あっ」


三奈ちゃんはそう言って少しイジワルな顔をする。そして、枕に顔を埋めているひよこちゃんを見た。


ひよこちゃんの耳元で、そーっと囁く。


「“切島”…とかは?……あー切島は、安藤かー!!」


「うぁあっ!!三奈ちゃん、ダメぇ!!」
「にっしっしー!」


その名前に過剰に反応したひよこちゃんは、がばっと顔を上げる。

またも顔はまっかっか。湯気もぼうぼう出ている。


「…ちちち、ち、ちが」

「ひよこちゃん、顔赤いわ。」
「あら?緑谷さんが好きなんですよね?」

「うぁぁああ…!」


ひよこちゃんはまた枕に顔を埋める。

でも、確かにそうだ。
デクくんが好き……なんだよね?

でもなんで、切島くん…で顔が赤くなるんだろう。


…もしかして……もしかして!


「好きな人……2人いるん……?」

「ちっ…ちがう!!」


恐る恐る聞いてみれば、真っ赤な顔で否定された。

それにはほっとしたんやけど……どういうことだろう?


「響香ちゃん……たすけてぇ……。」


ひよこちゃんは、ひとつあいだを開けたところに座っていた耳郎ちゃんに涙目で助けを求め、耳郎ちゃんのもとに膝歩きで進む。

…なんで耳郎ちゃん?


「あーん、安藤行っちゃったー。」

「ほら、安藤が反応が良くていじりがいがあるのは分かるけど、いじりすぎちゃ可哀想だよ。」


ひよこちゃんは耳郎ちゃんの横で枕を抱えてちょこんと体育座りをした。


一体どういうことなんやろう。
もしかしたら、一番恋多き女子って、意外とひよこちゃんなのかもしれん…。

なんて、いろんなことが頭に浮かんで、眉間にシワがよったのを感じた。


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