第3章 希望の卵とぺんぺん草
何もできない私でも、ケンカをしてる暇なんて無いとわかる。でも、やめろっていう勇気はまだ私にはない。
キッと前を向く。
今やるべきことはある。私にできることは、ある!行為で示せ!
私はそのケンカをしている人達を横目に走った。
「安藤さん?」
「……安藤?」
そして、谷の前に立ち、叫ぶ。
「だっ、大丈夫ですよー!!!安心して下さーい!!平気ですよー!!すぐ助けますからねー!!!」
「早く来てくれー!!!麗日くんが!!」
「やっと来てくれたー!助かったー!」
「まっ待っててくださいねーー!!!」
勝己くんが凄く驚いた顔でこちらを見ている。
「なっ!…たまご……なにして」
「しっ下の人に声かけてるの!きっと、不安、だと思ったから。これくらいなら、私にもできる、かなって、」
「…!!」
轟くんの方をチラッと見てみる。轟くんも驚いてる!やった!見返してやったぞ!やーいやーい!
……でもできることは少なくて、きっと、私にできることは、これくらいしかないから。でも、出来ることがあるだけ万々歳だ!自分のやれることを、全力で!