第3章 希望の卵とぺんぺん草
「はぁ、八百万、お前はプーリーを出せ。」
なんだか、やれやれといった感じで轟くんは指示を出し始める。そして最後に、私に向かって、
「お前は……。できることが無い。引っ張り上げるのに力貸してもらうくらいか。」
「っ……。」
できることが無い。そう言われて正直ショックだった。確かに、出来ることは無い。だけど、はっきり言われるとやっぱりショックだ。
体の前で指を組み下を向く。
このまま何も出来ないのは、悔しい。自分にできることを、考えろ。
轟くんが指示を出し終わると、勝己くんがいきなりブチ切れた。
「まててめェ!!!勝手に全部決めてんじゃねぇぞ!!」
と轟くんに掴みかかる。
怖い×怖い=最恐だ。
「これがベストだろうが。」
「あ"ぁ!?」
「遊び半分でやってるならなにもしなくていい。」
「あ?」
「俺はこんな訓練で揉めるほど暇じゃねぇんだよ。」
轟くんと勝己くんのケンカが始まってしまった。
こんな訓練……。