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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第25章 VANISHING POINT、


Side villain



「確認だ。“解除”しろ。」



黒いモヤのなかから半身を出し、荼毘は冷たい声を出す。
手にはビー玉程の球が入っている。

パチンと乾いた音が響くと同時に、その球は弾けて人が飛び出る。



荼毘の手から現れたのは、ツンツン頭の爆豪だった。



「問題、なし。」

「かっちゃん!!」


ボロボロの緑谷は、もうきっと動くことはできないだろう。

荼毘はニヤリと笑みを浮かべた。


緑谷があんな姿だからこそ、動けないからこそ。

もっと苦しい顔をさせることが、俺にはできる。




「Mr.もうひとつ、解除だ。」

「…あぁ。その方が面白い。」


レーザーでショーを台無しにされたMr.も、この意見には賛成した。

緑谷や轟はその言葉で顔を引きつらせる。
その引き攣った顔に、荼毘はニヤリと口角をあげた。



「なんだよ…もうひとつってなんだよ!!!」



その怒号を聞きながらポケットを探り、手に球をのせる。


パチンっ


乾いた音が響いて球もパチンとはじける。


真っ黒の髪に、泥のついた白い肌。
汚くなったその服に、緑谷は目を見開いた。




「ひよこちゃん!!?なんでだよ!?ひよこちゃん!!」




ぐったりと目を閉じている彼女に、緑谷は必死に声をかけた。

「残念だな、ヒーロー。」

荼毘はその彼女を雑に担ぎ、またモヤの中へ消えていく。



「いず、く……くん…。」


うっすらと目を開いたひよこは、朦朧とする意識の中、目に映る大切な大切な彼に、手を伸ばした。



「ひよこちゃん!!!」



ひよこが救いを求めて伸ばした手は




虚しく、空をきった。




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