第3章 希望の卵とぺんぺん草
私達は出久くんとお茶子ちゃんと飯田くんを助けるらしい。意識を失っている人が一人、脚を骨折している人が二人、崖の下で助けを求めているという設定だった。
「なんで俺がデクを助けにゃならんのだ!!」
「そういう訓練だからよ。爆豪ちゃん。」
「あ"ぁ!?」
「誰か!!!助けてください!!脚がぁぁぁ!!!」
飯田くんの声が谷底から聞こえてくる。
助けなきゃ。でも、私にできることは……?私は個性が無いと同じ。体育も苦手だし、充分な知識も無い。
「始めるぞ。」
「あ"ぁ?」
「誰が降りる?」
轟くんが声をあげ、指示を出す。
「仕切ってんじゃねぇぞ半分ヤロー!!!降りるまでもねぇ…谷そのものを無くしちまえば問題ねぇ!!!」
「正気ですか!?」
「そ、そんな事したら、谷の下の人が怪我しちゃうかもしれないよ!」
「しらねぇ!!」
勝己くんの人ならざる発想力に恐れ入ったけど、ちょっとそれは、やられたら困る……。