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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第24章 涙をとめる方法




空気が一変した。

なにかいる。


それは予測できなくて。


途轍もない悪意と殺意を持った誰かが、岩の後からドカンと現れた。


この人は、ヤバい人だ。
関わってはいけない人だ。


一般人の私でも分かる。


私の頭の中の不安ももやもやも全部一気に吹き飛んで、頭の中は真っ白になる。


内臓が飛び上がり、皮膚はぞわぞわと泡立つ。
ビリビリと空気が緊張して、体が動かない。


「見晴らしの良いとこを探してきてみればどうも、」


その巨体は声を上げる。
地を這うような、不気味な声。


布をかぶってマスクをかぶった、たぶん男の人。


「…って、あ?おいおいっ!さっそく目的のブツ発見かよ。」


私を見ながら彼はいった。


嬉しそうな、声で。


「な、何言ってるんですか。だれ、なんですか?」


必死に体を動かして、洸汰くんの前へ出る。


彼を睨みつけたままグッと身体を低くして構え、震える唇で、震えた声を出す。


体、震えてる。骨が、震えてる。


耳に、後ろからの洸汰くんの息遣いがとどく。浅く、多い呼吸だ。


怖いんだ。きっと。


守るよって言わなきゃ。絶対大丈夫だからって、言って、守らなきゃ。


“ヒーロー”みたいに。


「安藤って、てめぇだろ?」
「な、なんでしってるんですかっ!?」
「つかまえたぜっ!!」
「来ないで!!こうたくんっ!逃げよう!!」


ゆらりと巨体が動いて近づいてくる。


咄嗟に足を動かすも、そのちっぽけな動きじゃすぐ捕まってしまって。

肩をがしりと掴まれて、宙に浮く。
足はもう、地面と離れ離れだ。


怖い。


怖い。
この人、だれなの?



どうして、私のコトを知ってるの?



「い、いたいいたいっ!」
「おっと抵抗すんなよ。」


焦る私の目には、震えてこちらを見つめる洸汰くんが写った。


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