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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第24章 涙をとめる方法




「安藤、お前今日の補習は休め。いいな。」


先生は私にこう告げた。
私はろくに返事もできなくて、ただこくんと頷いた。


多分、気まずいからとか、私にはそんなに努力する必要ないとか、そんな理由。


ていうか、今日私はなにをしてたんだっけ。


ぽつんとひとり立ち尽くし、そして少し辺りを見渡した。


「いてえぇぇえええええ!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!」
「クソがァァァァァァァ!!!」


手をお湯に沈めたり、ドラム缶に入ったり、頭をぶちぶちちぎったり。


みんな、必死にやっている。
息切れをして、泥だらけになって、汗まみれになって。


それに比べて、私は?


まだ、綺麗だ。
ただ、変な髪型なだけじゃないか。


グイッと下を向いて服を握りしめる。


だめだ。だめだめ!!
なにしてんだよ。


今度はグイッと上を向き、必死に息を止め、舌を噛んだ。



**



「よしっ!今日はみんな今日は最高の肉じゃがを作るのだ!!」


天哉くんの一言で、みんなは料理し始める。


お腹を少しさすってみても、なんもない。
お腹、減ってないみたいだ。


みんなは泥まみれで、汗まみれで、すごくかっこいい。


それなのに、私は全然…全然…なにもない。


なんにも、ない。
ただの、空っぽだ。


下を向きそうになるのを必死に抑える。
ふらりと見上げたその目線の先で、小さく動く背中を見つけた。


森の中に向かっている、あの、幼い彼の背だ。



彼は。

彼のとなりなら。



私はいても、いいのかもしれない。


足がふらりとそちらに向く。
彼について、私は森の闇に溶けた。


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