第3章 希望の卵とぺんぺん草
みんな凄く優しくて、私の不安が嘘のようだった。
勉強は、当然ついていけるわけなくて、口田くんや飯田くんやつゆちゃんに教えてもらいながらなんとか頑張った。
このままずっとお世話になるのもいけない。ちゃんと自分で勉強して、せめて勉強だけは、みんなについて行かなくちゃ。
勉強でげっそりした後。
お昼ご飯は、おばさんがお弁当を作ってくれていた。
何処で食べるんだろう?
選んだところが偶然にも誰かの場所だったら……。
教室の私の席で誰かがご飯を食べていたら……?
無駄に逞しい想像力によって不安が膨らんでいく。
そして、学校で初めて出久くんに声をかけた。
「い、出久くん。あの、お弁当……一緒に……食べても、いい?」
「あっ!うん!もちろん!」
ぱぁぁぁあっと嬉しくなって
「そ、そんなに喜んでもらえるのはじめてだよ…。嬉しそうだね。」
と出久くんにまで感情だだ漏れした。