第21章 〈番外編〉Over The Rainbow
その森で、はあちこちから変な鳥や動物の鳴き声が聞こえてきた。ギェエエエ!やら、ヴァアアア!やら。聞こえる度に飛び上がった。
3人で腕を組んでその道は歩いた。だって1人では怖過ぎて、誰かとくっついていないとやってられなかった。
「や、やっぱりちょっとちけぇ!」
「えぇっ困ったなぁ…やっぱ近いの嫌なの…?ごめんなさい。」
「いやそういう訳でも…」
「僕は来られても全く問題ないぞ!来い!」
「じゃあいくぞー!きゃー!」
「あっおい聞けよ!」
そんなふうに言い合いしたり、ブリキの天哉くんに飛び込んだりいろいろしていると、なんとすぐに森を抜けてしまっていた。
そうしたら遠くに、エメラルドで出来たみたいにキラキラと美しい城が見えた。
「あ…れ…?」
「ついたぞー!」
「よっしゃー!!」
「わんわん!」
エメラルドの都に、着いてしまった。
2人(と1匹)が大喜びしている中、私はライオンさんが居ないということに戸惑っていた。
なぜ出てこないんだろう。足りない……。
もんもんと考えているとかかしさんが私の顔を覗き込んでくる。
「どうした?」
でもくだらないことで心配もかけたくないし、笑顔をつくってかえす。
「な、なんでもない!早く行こう?」
「ふーん…じゃあスキップで行こうぜ!」
「陽気」
そうして私達はスキップでエメラルドのお城を目指した。2人の軽快な足に、少しだけ私の足がついて行かなかった。
スキップで進むとすぐエメラルドのお城の扉の前についた。とてつもなく大きな扉に、私達はめちゃくちゃたじろぐ。
「どんな人なんだろうな…オズ様って……」
「もう知り合いじゃなきゃいいな…」
「じゃあ行くぜ!」
「怖いもの無しか」
かかしさんが勢いよくノックをすると、中に音が響いているのが聞こえてくる。一体誰が出てくるんだろうとドキドキした。
「はーい!誰ですかー?」
そんな緩い登場をして現れたのは、ボブヘアーのフワフワとした……
「お茶子ちゃんだ!!」
「君がオズ様か!」
「オズ様女の子なのか!!」
「え、ちょっとまってまって」
混乱するお茶子ちゃんを前に私達は各々喋りまくる。
オズやべぇだの女の子だの。
そんな私達にお茶子ちゃんは、困った顔をして大声を上げた。
「私はオズ様じゃなーーーい!!」
