第3章 希望の卵とぺんぺん草
そうやって、オロオロしている時だった。
「安藤くん!俺は、委員長の飯田天哉だ!よろしく!困ったことがあったらいつでも言ってくれよ?」
世界に光が指したみたいだった。
一人ぼっちを覚悟していたのに。話しかけてくれるなんて。
「…い…飯田くん……!ありがとう!!よ、よろしくお願いします!あ、えっと……これからなんの授業ですか?」
「一時限目は、英語だな!プレゼントマイク先生の授業だぞ!」
「ほ、ほぁぁあ!ぷ、プレゼントマイク!?凄いんだね!!」
私、ちゃんと喋れてる!!
そう。ここ、雄英高校では、現役プロヒーローが教鞭をとっているのだ。プレゼントマイクとは、大人気ヒーローの1人。ボイスヒーローといって、たくさんのラジオ番組やらなんやらに出演している。私もちゃんと毎週聴いているのだ!!
後ろから声をかけてくれた、見るからに委員長っぽい飯田天哉くんのおかげで凄く心を救われた。
すると、前の人も声をかけてくれた。
「私は、蛙吹梅雨よ。つゆちゃんとよんで。」
「つ、つゆちゃん!はじめまして、よろしくお願いします!」
なんて優しい人達なんだろう。と、感動で涙が出そうになったとき、
「おいくそたまご!!!!お前なんで此処にいる!!!ちょっと来い!!!」
勝己くんに首根っこを引っ掴まれた。
涙が引っ込んだ。
感動もくそもあったもんじゃない。