第3章 希望の卵とぺんぺん草
「だから、保護のために雄英高校に来て欲しいんだ。セキュリティー面から考えて、ヒーロー科に来てもらおうと思ってるんだ。ほら、人は1度探した場所は探さないだろう?ヒーロー科ではみんなと同じカリキュラムでやるよ。特別扱いするとそれだけ目立っちゃうからね。大変だと思うけど……。」
「……。」
「もちろん、それなりに配慮はするよ?」
小さなもふもふは容赦なく話を続ける。頭がいっぱいいっぱいでショート寸前だった。
そんなのいきなり言われても、分かんないよ……。私どうしたらいいの…?
「……おばさん、私、どうしたらいいと思う?」
「私は、貴女が心配……。だから、行って欲しいわ。お願い。」
「そっか……。」
おばさんはすごく心配そうな顔をしている。長年共に住んでいるのに、こんな顔、あまり見たことない。
私は、自衛できるほど強くない。
そんな脅威が迫っているなら、自分の身は自分で守らないといけない。
みんなも守らないといけない。
なら、みんなを心配させないためにも雄英にいったほうがいいんだ。
「い……いきます。」
私の個性が関わってきているのであれば、選択の余地はない。もう、誰も傷つけたくないから。
あぁでも、もっと考えれば良かったかもしれない。
この後私はこの時の選択を、何度も何度も後悔した。