第17章 コンクリートを漂流
「ううん」
私はブルブルと首を振った。
違う。
みんな必死なんだ。本気なんだ。
こんなこと思うのは失礼だ。
自分のやるべき事をしないと。
パチンと頬を叩き下を見渡す。
まずは、先生が何をしようとしているのか突き止めないと。
先生の先を見ないと私は合格できない。
キョロキョロと見渡し、ハッと気がつく。
「も、もしかして、ゲートへの道を全部、潰そうとしてる?」
上から見ると、壊された道がそうなっているのがなんとく分かった。
「こうしちゃいられない!」
急いでルートを探す。
ここをこう行って、こう曲がって……
行けるぞ!!
そう思った瞬間だった。
「きゃあ!」
地響きがすぐ近くで聞こえた。
下が揺れている。
急がないと!!
そして私は、不安定な足元を不安に思いながら地上を目指した。