第17章 コンクリートを漂流
ゲートを潜ってフィールドに立つ。
まず……というか、することは1つ。
ゴールに向かうこと。
方向は……こっち!とつま先を向け、てくてくと歩き始める。
周りは灰色の建物で埋め尽くされていて、なんか、覆い尽くされそうで、心臓がきゅとしまった。
ちょっと急ごうと駆け足になった瞬間、
ドーン!!
ドシーン!
遠くからそんな音が聞こえてきた。
「なっ、なに!?」
何が起こっているか全然わからない。
ただ地響きが聞こえて、揺れを感じるだけ。それだけで恐怖はムクムクと心を埋めていく。
「…う、うぅ、上!!」
建物の影でなにも見えない。
せめて建物の上に立てば、なにか見えるかもしれない。
私はちょっぴり右往左往した後、私はこの辺りでいちばん高い塔……のようなものの上を目指した。