第16章 合理的はなまる
「あの、今回テストと言いつつも、意図的に各々の課題をぶつけてるんですよね。」
「そうさね。」
「常闇くんと蛙吹さんは、何が課題なのでしょうか。エクトプラズム先生の個性が、2人の天敵とも思えないし……。」
出久くんが先生に質問したのを、気になって一緒に先生を見つめる。
梅雨ちゃんはいつも優秀だし、常闇くんも、この前組んだ時凄く頼りになった。弱点なんか…あるのかな。
「いや、天敵さ。常闇踏陰にはね。」
「常闇くんに?どうしてですか?凄く強いのに。」
「見てれば分かるよ。」
そう言われ、目をモニターに戻す。
画面の向こうでは、ダークシャドウくんが一体一体エクトプラズム先生の分身を倒し、そこを梅雨ちゃんがフォローしていた。
「常闇踏陰の強みは、間合いに入らせない射程範囲と素早い攻撃さね。」
モニターから目を外し、先生を見る。
「けれど裏を返せば、間合いにさえ入れば脆い。」
「間合いにさえ入れば……常闇くんにそんな弱点が……。」
「それで、数と神出鬼没のエクトプラズムが…。」
私は考えるように顎の下に手を添えた。
常闇くん…そうなのか……。ふむ。
と、これぐらいしか考えられなかったけど。