第14章 青くさい春。
「「「はぁ……。」」」
私たちは教室で3人揃って肩を落とした。
「なかなかうまくいかないもんだね…。」
「タイミングムズいな……。」
「切島くん……。」
心の中がモヤモヤとしてなんだか凄く不安になってきた。
このままずっと話せなかったらどうしよう、と。
「どうしよう…。」
「もう廊下でぶつかるチャンス無いよねぇ……うーん……。」
「明日からテストだもんね……安藤、手紙とかはどう?」
「うう…ん。自分で、口で言いたい…。」
「そっか。」
「じゃあもう最終手段!!」
「えっ?」
「校門で待ち伏せだよ!」
三奈ちゃんはとても真剣な顔と声で言った。
「…そ、そうだね。それが1番かも…。」
「帰るときにガっと捕まえてー!
『この間は逃げてしまってごめんなさい。気持ちを伝えてくれてありがとう。でも、私好きな人がいるの。』
って!」
三奈ちゃんは実演しながら説明してくれた。
気持ちを伝えてくれてありがとう。……か。ちゃんと言えるかな…。
「う、うん!!ま、待ち伏せはひとりで頑張るね!」
「うん。分かった。頑張ろう!」
「応援してる!!」
そうして私たちの最終作戦は実行された。