第14章 青くさい春。
今までは出会ったことがなくて、でも、物語で触れてちゃんと理解してきたと思っていた気持ち。でも、本当に触れると、全然わからなくて、信じられないくらいゴチャゴチャで。
彼の感情から逃げてしまった弱い自分が嫌で。
「話があるって…言われた日ね…えい…切島くんにね……す、好きって…いわれてね……。」
いきなり彼が全く変わってしまったような気がして、びっくりした。
「驚いちゃってね…にげちゃって…みんなに何かあったのって聞かれたときも……なんでもないって…言っちゃって……ずっと…話せないの……。えい…切島くんをね、下の名前で呼べなくなっちゃって……話せなくてね……話せないのは…寂しくてね…。」
ずっと友達で、変わらないと思ってて、いきなり変わることが、怖くて、彼の感情と向き合うことが出来なくて、でも、このまま話せないのは、寂しくて。
「好きっていわれてビックリしちゃったんだ!」
「安藤、寂しいんだ。切島とはなせないの。」
「……うん、どうすればいいかな…。」
「安藤、返事しよう!!」
「ウチ、そういうこと全然わかんないんだけどさ…うーん、それが一番いいと思う。」
「それとね、安藤が辛そうなの、あんま嬉しくないなー!」
「わっ!むむむむ」
そういって三奈ちゃんはほっぺたをムニムニと触った。ほっぺた触られるの、昔から好きだ。
「…うん!私、ちゃんと返事する!!」
「うん!そーしよー!!私も手伝うよ!」
「じゃあウチも!」