第14章 青くさい春。
「あ、安藤!?大丈夫!?」
「ご、ごめん!!変なこと聞いた!デリケートなことズバズバ聞いた!ごめん!!」
ふたりは物凄く心配そうに顔を覗き込んでくれるが、私の涙は堰を切ったように溢れて止まらなかった。久しぶりに、ダムが決壊したみたいに、たくさん、たくさん零れた。
さっき爽やかな笑顔をくれた店員さんが心配して駆けつけ、商品に何が悪いところがあったかと心配そうに聞いている。お店の他の人たちも心配そうにこちらを見ている。
「っく、ずっ、だ、大丈夫!ご、ごめん。ぜんぜん、平気。」
涙を全部拭って私はぐっとふたりを見つめた。
「ごめんほんとに!!」
「……確かに最近の安藤なんか、変だったかも。切島となにかあったの?」
そして私は、話す決意をした。
「……聞いてくれる?……あのね、」
私に生まれた、どうすればいいのかわからない、どう扱えばいいのかわからない、厄介な気持ちを。