第14章 青くさい春。
「えっ!マジ!?」
響香ちゃんが目を見開いで驚いている。
私は、ハンバーガーにかぶりついたままカチンと硬直してしまった。
色んなことが頭を回る。
どうした…んだろう私は。彼のこと。アノコトを、私はどうしたんだっけ。なんで三奈ちゃんが知ってるの?響香ちゃんに聞かれた。
「おーい、安藤ー大丈夫かー?詰まらせたかー?」
「……。っだ、大丈夫……じゃない!な、なんで……!」
「え''っ!?マジなんだ…!」
急いで口の中のものを飲み込むと、いちばん疑問に思ったことを早口に出した。さっきはあんなに美味しかったのに、今、味しない。
「私、相談乗ってたからさー。話は聞いてたんだー。『今日告白する!』って言ってたあと、どうなったか聞いてないから、どーなったんだろうなーって!」
「ぁ、えっと……。」
グルグル回って回って、それでも頭が回らない。どれだけ頑張っても頭に浮かんでくるのは、彼のアノトキの顔で。
『俺、安藤のことが__だ。』
見たことないくらい真っ赤で、真剣で、真っ直ぐな顔で。
「私……にげちゃった。」
そう言うと、なぜだか私の目からポロリと雫が落ちた。