第2章 プライド×劣等感
せめて、入試の日には、応援しにいきたいなぁ。私の唯一の友達、
だしね。
そして、雄英高校の入試の日がやってきた。
朝7時、走って出久くんの家まで行く。
迷惑かな?迷惑じゃないかな?やっぱ迷惑かなぁ……。超迷惑だよなぁ…。きちゃった……。あぁぁ。いんこさんいるかな……?なんて考えながら。
ピンポーン
「はーい。」
「あっ!いんこさん!朝早くからごめんなさい!い、出久くん!いますか?」
「あら、ひよちゃん。ごめんね。今いないわ。」
「あっ、えっと、そ、そうですか。」
ちょっとシュンとする。すると、いんこさんがそれを察したのか気を使ってくれた。さすが感情だだ漏れ……。
「あっ、多分、一回帰ってくると思うけど、」
「あっ、えっと、大丈夫です!あの、頑張ってって、伝えてくれませんか?あとこれ、学業成就のお守りなんです。出久くんにあげてください。」
「あら、いいの?ありがとう。うん、いいわよ。ひよこちゃんも入試、頑張ってね!」
「はい!」
会えなかったけど、伝えられた!
その日は家の中でドキドキしていて、勉強なんて手につかなかった。何やってるんだ受験生……。
私も、勉強しなきゃいけないのになぁ…。私の入試はもうちょっと先。近所の普通科高校を受けるのだ。
なるべくヒーローからは遠いところに、いかなきゃだもんな。