第13章 Always thinking unto them.
放課後、私は授業で聞き逃したことを先生に聞きに行った。
「…で、こうだ。」
「あ…すみません。ありがとうございました。」
「…いつもならこんなことないだろ。どうした。期末もうすぐなんだぞ。わかってんのか?」
「…す、すみません…少し、集中出来なくなっちゃって…。」
「集中出来なくなった?どんな事があったらそんなになんだよ…。」
先生は呆れたようように言った。
先生なら…この気持ちを収める方法、知ってるのかな。
「先生…。今まではその人と普通に接していられたのに、いきなり、その人がくると集中出来なくなったり、逃げたくなったりしたときって…どうすればいいんでしょうか……。」
「……。まぁ、どうしようもねぇな。普通にするさ。」
「普通に出来ないんです…。普通って何なのかも、分からなくなって……。」
「でも普通にするしかないんだろ?そうしないと普通に生活出来ないなら、それだったら装ってでも普通にするね。」
「装ってでも……。」
先生はすこし面倒くさそうにして言った。
ノートをにぎる力をギュッと強くする。
先生は私より長く生きてる。それなら、きっと、そうするのが正しいはず……。
「頑張ります!し、失礼しました!!」
相澤先生におしえてもらったことを胸に、私は強引に前を向いたのだった。