第12章 友達と、友達のその先
さっき、鋭児郎くんにいろいろきいた。男が家に女子を呼び出すのはなにかしら下心があるから気をつけろ……と。
そんなの勝己くんの場合、億が一にもありえないし、頭の端にも考えたことなかったけどそれを聞いたばっかりに、今はちょっと緊張気味だ。
私達は勝己くんの部屋へ案内された。
「へぇ、部屋綺麗なんだな。」
「るせぇ、みんな。」
なんで鋭児郎くんそんなリラックスしてる感じなの!?私は緊張でがっちがちでいい姿勢で正座をしているというのに。
勝己くんはというと、机を出して、勉強道具を出している。
?
「あ、あの、なにを?」
「あぁ?見てわからんかよ。期末の勉強だよ。教え殺す!!」
「え、えぇぇええ!!」
「お!まじか助かる!」
てきぱきと準備しながら勝己くんは答えた。
見てわからんよ!!私の緊張を返せ!!
「な、なん」
「デクに勉強教えられてたんだろ?絶対俺ん方がわかりやすい…!おい!!どっちがわかりやすいか審査しろ!!」
「そういうことー!?」
勝己くんは私に指さしながら言った。人、指さすのよくない。そして私は心の中で全力で突っ込んだ。
そういうことは最初に言ってくれ!!