第12章 友達と、友達のその先
「ここだよ!」
「おー!立派だなぁ!」
鋭児郎くんを連れて勝己くんちにきた。
勝己くんちだけど、あたかも自分の家であるかのように自慢気に紹介してしまった。
だって、勝己くんちはいつ見ても綺麗で立派だもん。家は結構古い家だからすごく憧れるのだ。
ぴーんぽーん
「あの…。」
「出てこねぇな。」
勝己くんの家に来たが、反応がない。
お裾分けをしに行く時はいつも、勝己くんのお母さんが出てきてくれるんだけどなぁ……。…もしかして、今日は家に、勝己くんだけ……?
うぅ……。今日は…来たくなかった……。鋭児郎くんがいてくれるだけ凄くましだけど。
「よし、インターフォンあと10回鳴らして来なかったら帰ろう!」
「意外と挑戦的だな!」
ぴんぽーん……ぴーんぽぴんぽぴぴぴぴぴぴぴーんぽーん
早く帰りたいので、インターフォンを連打した。
「デナイ。鋭児郎くん、かえろう。」
「いや、よっぽど帰りたいんだな。」
「うるっせェ!!!」
「あ。」
「げ。」
帰ろうと踵を返したとたん、勝己くんが鬼のような形相で出てきた。
あ、出てきちゃった。あ、あぁ……。
「あ、えっと……安藤、です、けど。」
「どーも切島です。」
「うるっせェんだよ!!何度も何度もインターフォンおすな!!」
「だって…出てこないから……。」
「あ''!?まぁいい、早く来い。」
「え、わぁぁあ!」
「わっちょっと待て待て!」
私達は勝己くんに手を引かれ家に入った。