第2章 プライド×劣等感
勝己くんといい、おばさんといい、どうして知ってるの!?誰にも言ってないよ!
「だって……あなた、わかりやすいから……。」
盲点だった。
「わかんないのいずくくんくらいだとおもうぜ?」
「わたしもしってたよー!いずくくんすきなんでしょ?」
「分かんないほうがおかしい。」
「おまえらもかー!!!」
なんて言うことだ。そんなに感情だだ漏れだったなんて。顔が下から赤くなっていく。
私、ヒーローの、ミッドナイトみたいな大人の色気、目指してたのになぁ…。
「ば、ばかー!!!」
「あっ逃げた。」
これだよ。この語彙力のなさ。行動の子どもっぽさ……。ずっと直そう直そうって思ってるのに…。
階段を駆け上がり、部屋に逃げ込む。
「はぁ、はぁ……嘘。そんな、うぁぁぁぁ。」
座り込んで少々考え込むが、そんなことしても無駄だと判断し、服を着替えた。
【緑谷】
の文字を見て、ちょっぴり、口元がゆるんだ。
「……いつか、告白……して…それで……」
そんなことを、誰に言うでもなく、呟いた。