第2章 プライド×劣等感
私の家は、えっと、はっきり言ってしまえば児童養護施設……孤児院だ。といっても名ばかりで、子供の数も少ない。私はこの中で最年長だ。5歳の時からここにいる。
子供が居て、優しいおばさんがいて、財政的には大変だけど……。私はとっても満足に暮らしている。
「おう優(あつし)!ただいま」
「あ、ひよこ。おかえり。」
「ひよこお姉ちゃんと呼んでよ!」
「ちょっとしか変わんないじゃん。」
この子は、この家で私の次に年上の、といっても小6の、桜木優だ。この子がまた相当わけアリで……。少し捻くれ者だけどいい子だ。
「たいそうふくじゃーん!!なんでー?」
「あら?体操服。緑谷って書いてあるけど……出久くん!?あらやだ……そういう関係?」
「ねーちゃんおとこいんのかよ!まぁ、いずくくんかかつきくんならおれゆるすけどね!」
「ち、違うよ!!」
言葉でみんなに詰め寄られ、私は一歩退く。
「でも、好きなんでしょう?まだ告白してないの?」
「……な、なんで知ってるのー!?」