第12章 友達と、友達のその先
紫くんはまだ私の前にいる。なにか、用があるのかな?
「……昼、ここで食べていい?」
「うぇえ!?」
「さっきからお前…意味のあること言ってなくない?」
そう言うと彼は、なんか普通に私の隣の席に腰を下ろした。
……どういう状況?あっ、私のより200円も高いご飯だ。…お金持ちかよ……。ちぇ。
紫くんは、ご飯を食べながら、私に話しかけた。
「あのさ、安藤。俺……伝えたいことがあってさ」
「……な、なんですか?」
なんだか意味もなく身構えてしまう。だって彼には悪いことしか言われたためしがないから。
「この前は……悪かった。」
「へっ!!?あっ!あぁ…!ワカメが……!!」
彼の口からでできた言葉に驚き、私は箸からワカメを落とした。あぁ……まとめて食べるのが至福だったのに……。
「そんなにか…。…お前のこと、何も知らずにあんなこと言って、悪かった。ごめん。」
「…えっ、あ、い、いいよ!全然!気にしてないし!!」
なんだかわからないけど、なぜだか嬉しくなった。