第12章 友達と、友達のその先
その日のお昼、私は先生に質問しにいき、皆に先に学食へ行っててもらった。
それが過ちの始まりで。
行ってみたところ、みんなの周りの席は全部埋まっていて、皆と一緒に食べれなくなってしまった。
今日はお弁当も忘れたというのに。
私は少し、考え込む。
仕方なく、この学食でいちばん安いかけうどん(120円!)を買って、学食の端っこの方の席に一人寂しく座って食べた。
このうどん、具がなんと、ワカメしかない。
ひもじくて泣きそうになった。
ひもじい食事を続けながら、私は色々と考えた。
はぁ……。期末試験……。体育祭であんな結果で……合格出来るのかな……。みんなと林間合宿…行きたいなぁ。ずぞぞぞぞ
ずぞずぞ一人寂しく最安値商品を食べていると正面から見たことあるような人が歩いてきた。あれは、
体育祭のときの、紫色の、くまの彼。
そう言えば、彼の前で大泣きした後、会ってなかったような。すごく、気まずい。ずぞぞぞぞ
「あっ、安藤。」
「おぶぇっ!」
完全にスルーされると思っていたのに。話しかけられた私は、うどんを詰まらせた。
どうしよう。うわぁ、気まずい。そう思ってるのって、私だけかな。
でも、ちゃんと挨拶はしよう、と私はうどんを飲み込んで声をかける。
「よ、お久しぶりッ!!私はげんき!!」
「…?」
彼はなんだか困惑した顔をした。
「…なんか変だぞ?」
「えぇ!?」
私の渾身の挨拶は、不発だった。