第2章 プライド×劣等感
「私、ちょっと用事があるので、ここで、」
「えっ、ついて行こうか?」
「ううん。ありがとう、大丈夫。じゃあ、また明日!」
「うん。じゃあ、またね!」
名残惜しくも出久くんと離れ、近所の商店街にあるお花屋さんへ行く。
「おかえりひよちゃん。……あら?少し元気ない?大丈夫?」
「ただいま。ううん。大丈夫だよ。ありがとう。」
「あら、そう?あっ、今日はこれよ!可愛いでしょう!」
「ありがとう!本当だ!かわいいね。」
毎日、花を1輪だけ買っている。今日は黄色いスイセン。
昔、家にはいつも一輪挿しがあったんだ。それは、忘れたくなかったから。
「ただいまー」
「ねーちゃんおかえり!」
「おかえりー!!」
「おかえりなさい。」