第11章 〈番外編〉長い夜
「ち、ちちち、ちがう!!」
「安藤くん!静かに!!」
「なんだ違うのか。」
私は恥ずかしさのあまりとんでもなく大きな声を出してしまった。大きな声で否定した後、出久くんの方はどうなのか、きになってチラッと見た。半分期待して、半分祈るように。
「うん、そういう関係ではないよ!!なんか、親友……というか家族…?って感じ……?」
……簡単に否定されちゃったよ……。これ番外編だぞ……。
出久くんにとって、私は、家族、のようなもの……か。喜ぶべきなのかな……。大切にしてもらってるって…凄く嬉しいけど……やっぱりあんまし、嬉しくない…。
そういう風じゃない…っていうの、なんとなく察してはいたけど、ご本人様から口から聞くと、やっぱし落ち込むなぁ……。
「…そ、そうだよ…!勘違いしないでね、モンスターボールくん。」
「おい、モンスターボールって俺か?」
「うん。」
「まじか。」
「あ!分かった!家族というより、春巻きと餃子のような関係性だよ!!」
「!?」
「なるほど!わかり易いな!」
「なるほどな、そういう関係か。」
「!????」
私の恋は儚く散ったのかぁ…としみじみ思う暇もなく、変な表現をされた。
春巻きと…餃子……??なんだそれは!なんだその表現は!初めて聞いた!なんでみんな分かってるの!?
落ち込む暇もなく、私の頭は疑問符で一杯になった。