第11章 〈番外編〉長い夜
「い、いいい、出久くん……あ、あの…」
「ひよこちゃん……やっぱり僕、ひよこちゃんが泣きそうなの、我慢できないよ。」
「…ぁ。」
中学の時よりも強くなった力で私の腕をぐっと掴んでくれる。でも、笑顔は全然変わらなくて。
あぁ、やっぱりヒーローだなぁ。
私は、嬉しさと恥ずかしさ、そして困惑で頭がいっぱいになり、動くことが出来なかった。
「む!安藤くん!とんでもなく顔が赤いぞ!」
「へ!?」
さっきまでは雲で隠れていた月も顔を出したようで、私の赤面はみんなに見えるようになっていたようだ。
めっちゃ恥ずかしい。
「あ……お前らそういう関係か。気づかなくて悪かったな。」
「「へぇ!?」」
轟くんはなんか突拍子もないことを言い出した!
な、ななな、なんてこと言うんだ轟くん!!モンスターボールみたいな頭しやがって!
(※照れた末のひよこの戯れ言です。)