第11章 〈番外編〉長い夜
「幾ら何でもひよこちゃんが床に寝るのはダメだよ!!女の子なんだから!!ひよこちゃんが床に寝るなら僕が床で寝るよ!!」
「!?」
正義感の塊、出久くんはそんなことを言ってくれた。そ、そんなこと、絶対だめだ!!
「だ、だめ!!!ぜったいだめ!!そんなこと!!そんなことしてもらっちゃったら!!私、腹を切って死ぬ!!!」
「切腹だと!?」
「武士だ!」
「出久くん怪我してるんだから!!だめ!!ぜったいだめ!!!」
「ひよこちゃん!でも!床で寝ちゃダメだよ!!」
出久くんと少し言い合いをしてしまった。
こ、こんなつもりじゃ……なかったのに……。迷惑かけないで、クールに完全犯罪するつもりだったのに……。全部私のせいだ……。私が変なこと思いつくから……。皆に迷惑かけちゃった……。
泣く権利なんて無いのに、ジワジワ涙が出てきた。
「…ご、ごめんなさい。私、こんなに迷惑かけちゃって……。迷惑かけるつもりなんて無かったんです……。帰ります……。頑張って帰りますので…本当に、ごめんなさい。」
「ひよこちゃん…。」
あぁ、今晩、一晩だけ、一晩だけだから…!!頑張れよ…私!!迷惑かけるよりましだ!
ガラガラガラと扉を開けると……
なんだか病院独特の雰囲気……ホラーゲームみたいな感じになっていた。じゅ、呪怨!!!(※大混乱中です。)
『女性の霊が……』
こ、怖い……。1歩踏み出しただけで足の震えが凄い。で、でも、迷惑かけたくない!
「じゃあ、お、お、おやすみなさい!」
「ひよこちゃん!」
これは、もう夢なのだろうか。だったらハッピーだな…眠れてる。
驚いたことに、もう1歩進もうとすると、出久くんが私の腕をとり、ひきとめたのだった!