第11章 〈番外編〉長い夜
「…という訳なんですぅ…。決して、寝込みを襲おうとしたのではございませんよぉ…!」
私は彼らの病室の真ん中に正座しながら(なお、布団は被ったまま)、決して不埒な考えは無かったと言うことを涙を流しながら熱弁した。
「ちゃんと決められた病室で寝なければダメだろう!はやく帰りたまえ!!」
「えぇぇぇ!!?む、むむむ、無理ぃ!!天哉くん!それは私にとって死刑宣告に等しいよ!」
(※夜なので全員ちゃんと小声で喋っています。)
「でも、ひよこちゃん。ちゃんと使うとされていないベッドを使うと、ちょっとやっぱり衛生的にダメなんじゃないかな…。」
「はっ!…そっかぁ……。」
出久くんに的確な指摘をされ脳内で、ガーーンという音がした。
頭に広がっていくのは絶望だ。独りであの病室で、一晩過ごすと……。あ、あぁぁ。
「そんなだったら床で寝るか?」
「私は時々君が悪魔の子じゃないかと疑うよ轟くん。」
多分天然なんだろうけど、物凄く突き放された気分だ。でも……
「……それやっぱいいかも!!轟くん!君はやっぱり天才だ!!」
「お。…それは喜んでいいのか?」
「うん。いや何でそんなに微妙な感じなの。」
「いやいやいや!!ダメでしょ!床は幾ら何でも!」
じゃあさっそく……!と床で眠ろうとしたところ、出久くんに布団を引っペ剥がされた。
「床で寝るくらいなら、僕のベッド使いなよ!!」
「へ?」