第11章 〈番外編〉長い夜
布団を被ったまま、夜の病院の廊下を歩く。
こっちの方がよっぽど怖いかもしれない。でも、停滞よりは動いた方が怖くない!そう思い、勇気を振り絞って廊下を進む。
少し歩くと、出久くん達の病室の扉が見えた。
ゴールだ!!
最悪だった気持ちは少し上がり、駆け足になる。
ガラガラガラ…。
みんな、寝てるよね?バレたら恥ずかしいし……。お願い、誰も起きないで!そう思いながら、最高に注意を払い歩を進める。
「お、おじゃまします……。」
「誰だ!」
「ひぇ!!」
ここでなんと大誤算が発生した。
起きてた。
もしかして、今の声って……轟くん?
さすがか!!なんで起きてるんだ!!
「あ、あの、怪しいものじゃございません!!ごめんなさい!!」
「その声……安藤か?」
「は、はい!!ごめんなさいー!!」
「え?ひよこちゃん?」
「安藤くん、何の用だ?は!もしかして、寝込みを襲おうとしたのではあるまいな!!」
「!!??」
なんて言うことだ。みんな起きていたなんて。
私は暗くて見えないことをいいことに、顔は真っ赤、目は涙目になっていた。
そして、大自白大会が始まったのだ。