第10章 正しき社会、幸せな社会
席のまわりにぞろぞろとみんな集まってきた。
「本当に心配しましたわ。」
ももちゃんが心配そうに話しかけてくれる。
みんな、心配してくれたんだ。申し訳ないけど…ちょっと嬉しい。
「エンデヴァーが助けてくれたんだってなぁ。」
「すごいねぇ、さすがNo.2ヒーロー!」
病院で、公にはステインさんを退治したのはエンデヴァーってことにする……って説明されたけど、じゃあみんなが頑張ってたって事なんだよね。みんなを守るため…とは聞いたけれど、ちょっぴり悔しいかな。
「そうだな、助けられた。」
「うん。」
そう言う轟くんの表情は読めなかった。
轟くんは、エンデヴァーとは仲直り出来たのかな。いや、そんな簡単にはいかないよね。
轟くんは、お父さんであるエンデヴァーさんとちょっと仲良しじゃないらしい。っていうのをこの間本人に聞いた。詳しいことは、知らないけれど。
お父さんと共に職場体験ができるという事が、羨ましかった。