第10章 正しき社会、幸せな社会
友達って、何するの?
そんなこと、考えたことなかった。友達って……なに?
私の思考回路はグルグルグルグル回って、それでもその答えは出なかった。
「友達……?ともだち……トモダチ……戸、悶、治……TOMODACHI……」
「ひよこちゃん!?…だめだ!!ショートしちゃった!!」
「焦凍だけに……。」
「えっ……轟くん…?」
「なんか、わりい……。」
「安藤くん!!正気に戻るんだ!!」
「はっ!!」
天哉くんに肩を揺すられ、ハッと我に帰った。やばい。人類の起源まで思考が飛んでしまっていた。
「わりいな安藤。そんなに考えこむとは思ってなかった。」
「ううん……。友達……考えたこともなかったや。」
轟くんって、意外と不思議で、天然で、凄く取っ付きやすい人なのかもしれない。
「あっ、もうこんな時間!じゃあね!また明日!」
「うん!じゃあね!ひよこちゃん!」
「あぁ、またな。」
「おやすみなさい!安藤くん!」
みんなで話していると、意外と時間はすぎていて、私は急いで自分の病室に帰った。
楽しい気分のまま、自分の病室の扉を開けるとそこには……
鬼のような顔をした、相澤先生が立っていた。