第2章 プライド×劣等感
「お、お待たせしました……。」
カリカリカリカリ
着替えて出てくると、出久くんはさっきのノートに何か書いているみたいで、こっちにはまったく気づいていなかった。
凄い。一心不乱に。必死に。
きっと、彼にはそれしか見えていないんだ。
「あっ!ひ、ひよこちゃん!ごめん!」
「ううん、あっ、えっと、この服!明日、洗って返すね!!」
「あっ、うん。」
そして、自然の成り行きで一緒に帰ることになった。
自然の成り行き最高だ。
顔には出さないように努力はしてるけど、本当は嬉しい。
嬉しくて堪らない。こんな時間が、ずっと続けばいいのになぁなんて、そんな恥ずかしい事を思ってしまう。