第2章 プライド×劣等感
「拾っててくれたんだ……。ありがとう。あっ、それより!そんな濡れてたら風邪ひいちゃうよ!!」
頬を赤らめて喜びながら、彼は私の心配をしてくれる。そんなご心配いらんです、と笑顔をつくると、
「はっくしゅ!」
くしゃみでた。
「言わんこっちゃない!あぁっ!鼻水鼻水!!」
「ズビ」
「はいぶーして!」
「ぶー」
「着替えある?」
「……無いです。」
「ぼ、僕体操服もってるから!……あぁー!!!僕の体操服嫌だよね!」
「いやっ、だ、大丈夫!」
「ほんと……?じゃあこれに着替えて!」
焦りながらもテキパキと世話をしてくれた。
あぁ、好きだなぁ。……なんてねっ!!はっ、恥ずかしい!脳内だけでも超恥ずかしい!
出久くんに背中をおされ、学校の中に走って行って服を着替える。
好きな人の、、体操服だ……!
結構、やばい!!なんて、私の心は泡立った。