第2章 プライド×劣等感
また水の中で絶望し始める。
助けてくれなかったなぁ。ていうか、なんで知ってるんだろう。私、誰にも言ってないし……なんで?頭の中を見る個性とか?でも彼爆破…?
ぼーっと考えてると、なんかもう、水とかどうでも良くなってくる。
そんな境地に達しつつあったところ、今度は出久くんが来た。
「はぁ……って、ひよこちゃん!??どうしたのそれ!?な、なにしてるの!?」
「いや、色々とあって……。手を、貸して欲しいです…。」
そういうと、出久くんは、焦りながらも手を貸してくれた。
さっきまで出久くんのことを考えていたから、手に触れるだけで頬は燃えるように熱くなった。
好きな人にこんな恥ずかしい姿見られて……穴があったら入りたい。
「……ありがとう。あの、これ、ひろったよ!濡れなかった!」
大きな声を出して誤魔化し、私はずっと大事持っていたノートを差し出した。