第8章 〈番外編〉ヒヨコをプロデュース
自分の顔が赤くなっていくのを感じる。
嬉しい。なんだか、安藤の言葉全てが、嬉しくてたまらなくて、
「ん、な…」
「あ、ごっ、ごめん!自分ばっかり喋って、私…ダメだなぁ。鋭児郎くんの力に、なりたかったのになぁ。」
安藤の存在が、愛おしくてたまらなくなった。
思わず安藤を抱きしめてしまうほど。
「ひょわぁ!!」
「ありがとう…。わりい、ちょっとこのままでいいか?」
隣に座っていた安藤に手を伸ばし、ぎゅうっと抱きしめる。
涙ぐんだ顔を見られたくなったし、なんか、いきなりぎゅーっと抱きしめたくなったから。
なんだろう、こいつ、どこぞのケアロボットかどこぞの雪だるまなのか?
思ったより安藤は小さくて、すっぽりと腕に収まってしまった。ちゃんと、暖かい。
「う…うんうん、ぬ、ぬ、ぬいぐるみとか抱っこしてたら、あ、安心するもんね。ど、どうぞ。……でもちょっと息できない…くるしい。」
「あっ」
少し力を緩めると、安藤はプハっと俺の胸から顔をあげ、真っ赤な顔をこちらへ向けた。
「なんか、とんでもなくびっくりしたけど……力になれるなら、何だっていいや。」
そう言って、へにゃっと笑った。
胸がなんだか、ぎゅーっとした。…なんだろう。この気持ちは。
得意なことないって言ってたけど、こいつは……。