第8章 〈番外編〉ヒヨコをプロデュース
Side安藤ひよこ
目的のものを買うことができ、私は鋭児郎くんと上機嫌で、楽しく談笑までして歩いていた。
なんて素晴らしい1日!楽しい1日!それもこれも、鋭児郎くんのお陰だ!全部、彼の…お陰?
そして、ふと我に返った。
私、鋭児郎くんになんのお返しも出来ていないではないか!!ただただ鋭児郎くんにおんぶにだっこではないか!!さっきなんて、おもちゃ屋さんで子どもたちと鋭児郎くんを放ったらかしにして遊び呆けてしまっていた!
なにしてんだ私!!
しかし、お金も無ければ時間もないと来た。
「安藤?どした?」
「あっ!ううん。あっ!あぁ!!荷物!荷物持って貰わなくて平気!!私持つ!!」
はっと鋭児郎くんを見てみれば、なんと荷物まで持たせてしまっているではないか!私はなんてやからなんだ!寄生虫か!!
「いいってことよ!男なんだからこれくらいさせてくれ!」
わー!!男だ!!いやいや、漢だ!!今はそんな騒ぎじゃないんだよ!私の人としての価値がガックンガックン下がっているのを感じるんだよ!!
こんなんじゃダメだ!こんなんじゃ!!
お返し、しないと!!