第8章 〈番外編〉ヒヨコをプロデュース
「得意なこと?」
「うん、この前ね、うちにおばさんがいない日があってね、その時、皆の世話をひとり任されたんだけど、」
安藤は、深刻そうな顔をして続ける。……ん?おばさん?
「ちょっ、ちょっとまて、おばさんって?」
「あっ、えっと、切島くんには言ってなかったか。私、保護されてっていうか、児童養護施設?っぽいところで暮らしてるんだ。」
「えっ!……わりぃ。変なこと聞いちまった。」
「うっ、ううん!お願い気にしないで!大丈夫だから!」
安藤、児童養護施設で暮らしてたなんて……。親はどうしたんだ?もしかして天涯孤独?
考えてみれば俺、安藤のこと、なんも知らねぇな。爆豪や緑谷は知ってたんか……?
「そ、それでね、まず、洗濯物を畳もうとしたんだけど、それが難しくて、なんか汚くなっちゃって、」
「ふんふん。」
「次にご飯を作ってあげようとしたんだけど、それもなかなか上手くいかなくて、焦げ焦げになっちゃって……。」
「なるほど…。」
「洗い物も……上手くいかなくて…。お皿5枚くらい割っちゃって……。」
「あぁ………。」
1つわかったこと……安藤って、もしかして信じられないくらい不器用か!?