第7章 敗けて勝ってその後で
1度、ごちゃごちゃにこんがらがった脳内を整理する。
そうだ。これは“もしも”だ。みんなにとっては将来に大切なことだけど、私は、ヒーローに……なっちゃいけない。きっとあの1票もなにかの間違いだ。きっと他の誰かの1票だ。
「適当なもんは、」
「つけたら地獄をみちゃうよ!!」
「わぁ!」
と女性が入ってきた。ミッドナイトだ!大人の色気……!カッコいいなぁ。
起きてたらきっと、ミッドナイトの審査するところ見れてたのかなぁ、カッコいいなぁ。やはり眠っていた間に失ったものは多いなぁ。
「そこらへんのセンスはミッドナイトさんに査定してもらう。」
センスもいいんだなぁ、カッコいいなぁ。とただのファンとしてぽーっとミッドナイト先生を見る。
「将来自分はどうなるのか、名をつけることでイメージが固まり、そこに近づいていく。それが、名は体を表すってことだ。」
名前を書くボードが回ってきた。
「私はもう決まってるのっケロケロ」
「そうなの?」
前の席のつゆちゃんはもう決まっているらしい。素敵だなぁ。