第7章 敗けて勝ってその後で

夢を見た。懐かしくて、幸せな夢を。


お母さんと２人でテレビを見ているんだ。テレビの中ではお父さんが人気のヒーローとして活躍している。


『わたし、いちばんすきなヒーローはね、おとうさんなの！だってね』


あぁ、懐かしい。


柔らかくて


優しくて


いい匂いがして


暖かくて


いつでも一緒にいてくれる。


それが、私にとっての最高のヒーローだった。