第7章 敗けて勝ってその後で
「あの…」
「失礼します!」
「失礼します」
少しお願いをしようと口を開けたとき、ものすごい勢いで救護室に人が入ってきた。ヒーロー科の生徒だ。
「救護室は静かにね。」
「あっ、すみません!」
「ひよこちゃんが救護室に居るって聞いたので様子をみにきました。」
「ひよこちゃんはいますか?」
「あぁ今はベッドで寝てるよ。」
「ありがとうございます!」
入ってきて安藤に駆け寄る。みんな、本当に心配そうな顔で。
「ケロ…。ぐっすりだわ。最近ちゃんと眠れてなかったのね……。」
「頑張ってたもんね……。ひよこちゃんの分まで頑張るからね!お疲れ様。……寝顔かわいい。」
「そうね、かわいいわ。」
そう言い、愛おしいものを見るような目をして、安藤の頭を撫でる。
なんだ、ちゃんと友達じゃないか……。
資格…なんて必要ないじゃないか。
「っ……。…俺もういきます。」
「あーっ!あの時の!!」
「宣戦布告してた人だわ。」
ヒーロー科女子がこっちを見て叫んだ。
「また変なこと言ったら…!」
「もういわねぇよ」
そう言って俺は救護室を去る。
次は俺の試合だから。
勝たないと、格好がつかない。
勝って、安藤とちゃんと話をしよう。