第7章 敗けて勝ってその後で
心の中を見透かされたみたいで、ドキリとした。確かにずっと責めていたけど……。
「はぁ……。この子が転入した時から責められたり噂がたったりするのは予想してたよ。でも、この子には悪いけど、こうしないといけないんだ……。その理由は言えないけどねぇ。」
「……。どうして言えないんですか?」
「これ以上この子の情報を出したらこの子の身が危険だからだよ。」
「危険……。」
危険……。こちらでそんな話をしているのに、安藤は安らかに眠っている。
『どうすればいいの!!?じゃあどうすればよかったの!!?わかんない、わかんないよ!!!』
安藤の寝顔を眺めながらさっきの言葉を思い出した。
「……気の毒な子だよ。いきなりこんなところに放り出されて、もともと持病ももってんだ……。それでもついていこうとするんだ。この子は強い子だよ。」
俺は、安藤のことをよく知らなかったんだ。知ろうともしなかった。あの時俺は、