第7章 敗けて勝ってその後で
Side心操人使
「失礼します。」
眠ってしまった安藤を抱えて救護室の扉を開ける。
「はい、いらっしゃいっておや?どうしたんだい?」
「こいつ、泣き疲れて寝ちゃって。」
「泣き疲れて……。そう。ベッド空いてるから寝かしてやっておくれ。」
「はい。」
本当は俺の個性を使って寝かせたのだが、その事は黙っておいた。
「う、うぅん」
ベッドに安藤を寝かせた。
涙の跡が残っている頬に触れてみる。初めて安藤の顔をしっかり見た気がする。意外とまつ毛長いし、色も白い、唇は桜色で。意外と、かわいい?
……いやいやいや、ありえない。寝ているとどんなやつでも害が無さそうに見えるってことだろ。
「あんたは普通科かい?」
「はい。」
「そう……。あんまりこの子を責めないであげておくれ。」
「えっ?」