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【R18】医療パロ短編集【HQ】

第5章 麻酔科医:白布賢二郎


麻酔科、それは手術において重要かつ必須な診療科である。手術中の管理を一手に任され、滞りなくそれが進行できるよう調整を行う。
事前の患者準備から終了後の管理まで一連の状況把握と的確な指示、薬剤の投与を実施するのである。

金曜日の麻酔科外来は大変忙しい。

ミヤビ総合病院は外科系の診療科が特に優れており、手術の施行数もかなり多いため、手術に欠かせない麻酔科は大変混み合うのである。
そして金曜日は、麻酔科の優秀な医者である木葉先生と白布先生が外来を担当しているため何故だか外来患者が多いのである。
されに言えば、この2人の診療のスピードは他の先生と比べ物にならないほどに早く、看護師や医事がそれについて行くのが大変である事で有名だ。
決して手抜きをしてるのではない、とにかく診察や説明が的確で早いのである。

なぜ2人が揃って金曜日を担当しているかというと、彼らが必ず担当をする木兎先生も牛島先生も金曜日にはオペを行わないから。
2人揃って術後の経過がじっくり見られないから週末のオペを嫌うのだ。
そして患者様自身もせっかくなら優秀な先生に見てもらいたいとか、まぁ週末は仕事を休みやすいとかいろんな事情も重なって金曜日はとにかく忙しいのである。

朝からオーダーリングシステムの予約欄の名前はいっぱいで、1時間の枠に予約は4名程度のはずが診療開始30分にして『会計待ち』の文字が10人近く並んでいる。
会計処理が追いつかないため、小さなため息をついたのは麻酔科事務の羽音であった。
診療はまだかと怒り心頭の患者様の相手をするくらいなら早く診療を終わらせてくれるのはありがたい……と思うものの今度は会計はまだですか?と言われるのだから、どっちもどっちである。
麻酔科は処置や検査をすることがほとんどないので、先生の問診、診察、説明を終えて終了となるのが一般的である。
だから、専属の看護師も医療事務も他科に比べると少ない…少ないと言うか、各一人ずつでこなしていた。

おかしいとは思いつつも、他科から比べればと言われてしまえば文句も言えないのである。
麻酔科医師は非常勤も含めれば8名いる。しかしながら、オペに入る医師の方が多い為、外来は2診療室のみで実施されている。
内科や外科は5診療以上行っているし、検査や治療も多く行われているため看護師も事務も複数で回しているのが現状だ。
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