第3章 小児科医:及川徹
ゆっくりと落とされる腰がもどかしさもあるものの、及川の全てを飲み込んだ羽音の恍惚とした表情がとてもかわいらしかった。
対面座位で再び貪るキスを交わす。
ゆるゆると揺れいている腰にクスッと笑った及川は、彼女の腰を再び掴み上下に揺らし始めた。
最奥に及川が届くたびに彼女が嬌声を上げる。
羽音の胸を舐めながら、彼女のナカを行き来して羽音の全てを自分のものにした気分になった。
高揚している気持ちが、もっと…もっとと彼女を求める。
腰を振る速度が速くなり、羽音の喘ぎも大きくなり、間もなく達するのだろう、締め付けも強くなってきた。
「喰いちぎられそうっ」
少し顔を歪めた及川の肩にしがみついた羽音。
彼の身体に自分を密着させて彼との呼吸を合わせれば、二人同時に絶頂に達した。
ギュ~っと彼を締め付けた後、あっという間に全身の力が抜けてベッドに倒れ込む。
ズルリと抜け落ちたカレも先ほどとは打って変わって力を無くしたままピクリと反応を示していた。
羽音の隣に倒れ込んだ及川は彼女をゆっくりと抱きしめる。
「もっとする?」
彼のそんな言葉に脱力したまま目を閉じている羽音がクスッと笑う。
「もういい」
「そんなこと言わないでよ」
及川は、彼女に再び覆いかぶさり有無を言わさず愛撫を始めた。
「ヤ~っ」
と言いつつも、及川に抱かれる羽音。
朝まで電話が鳴りませんようにと祈りながら2人の時間を過ごしていった。
「明日、採血当番だから早いんでしょ?」
「起こしてくれる?」
「私、お休みだから起きられないみたい…」
まどろみの中でやっと返事をした羽音。
仕方なく、目覚ましをセットした及川であった。